先週、ユニフォームの縫製工場を見学してきました。
この工場は、普通の縫製工場とは違い、「ジャストインタイム」「自働化」あるいは「改善」といったことで有名な
『トヨタ生産方式』を採用した縫製工場です。
従来の縫製工場のラインでは通常、一人一工程を担当しパーツ縫いをして前へ前へと送っていきます。
大量生産できた時代には人の手の慣れから効率的な作業手順とされていましたが、多品種少量生産の時代には同じ商品を大量に縫製するわけにはいかなくなっています。
また、従来の「押し込み生産」によるラインだと、いたるところでモノが滞留し、仕掛品がどんどんと増えていくことにもつながっていました。
そこで、考え出されたのが「一個流し」で、それを実現するためにラインに沿って一人で次々に加工していき、種類の違う機械をいくつも受け持っていきます。
また、従来のミシンは座って作業するものでしたが
『立ちミシン』といって立った状態で作業するスタイルに変更し、それにより作業スペースも小さくなり、動きも小さくて済むようになったそうです。
今までのラインとの大きな違いは直線のラインではなく、U字型にすることで同じところに戻ってくるところに特徴があります。
また、検品の面においても大きな違いがありますが、それは、通常は完成品をチェックするのに対し、生産工程の中でチェックするというところです。
生産現場では多かれ少なかれ不良品は発生します。その不良品が発生した時点でラインをストップし、問題を発見して再発防止を行った後にラインを復旧することで、不良品を次の工程へ送らないよう徹底すると同時に商品の品質を高める努力をしていました。
工場の人が言っていましたが
、「現場の意識改革として過去の慣習にとらわれない『モノづくり』をしなければならない。」
「そのために、『まとめて作ればコストは下がる』という考え方から『1個づつ作ってもコストは下がる』に取り組んでいる。」
そして、実際にトヨタ生産方式を導入する前の生産リードタイムが導入後には3分の1になり着実に成果が出てきているといっていました。
このようにして日々「改善」を重ねながら品質を高めていく努力をして、よりよい商品をお手ごろ価格でご提供できるように工場の皆さん一生懸命に頑張っていました。